※このイベントは終了いたしました。多くの方々にご来場いただき、ありがとうございました。
今年10月1日、改正著作権法が施行され、デジタルコンテンツを違法ダウンロードした者には、「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」が科されることになりました。また、著作権法改正では、産業活性化の観点から、コンテンツのビジネス利用促進のための規定も議論されています。このような潮流を踏まえ、本講演会では、第一線の実務家の先生から、著作権の今とこれからについて、わかりやすくお話しいただきます。インターネットの普及により、著作権が日常生活にもビジネスにも深く関係するようになっている今、多くの方にとって有益な内容の講演会となっております。
さて、今回の著作権法改正で注目を集めた問題は二つありました。①日本版フェア・ユースの導入の行方、②違法コンテンツのダウンロードの刑事罰化です。
日本版フェア・ユースの導入は、もともと、日本の持つ技術力を発揮した産業の活性化をデジタル・コンテンツ分野でも実現しようという目標のもとで、著作権法の法改正と関連して議論されていたものです。なぜ日本のデジタル・コンテンツ分野の産業活性化のために著作権法の改正が議論されていたのか、そしてどのような法改正に終わったのかを振り返り、今の著作権法が抱える問題について考えます。その際、審議会の委員として法改正の議論に参加されていた末吉亙先生をお招きして、実際の立法過程のあり方も踏まえて、広い視点から議論します。
もうひとつのトピックである、違法コンテンツのダウンロードの刑事罰化は、文化庁の審議会の議論を経た法改正ではなく、議員立法として成立したものです。10月1日からは、違法コンテンツのダウンロードの刑事罰化が施行されています。昨今、サイバー犯罪における刑事捜査のあり方が問題になる中で、この違法コンテンツのダウンロードの刑事罰化はどのような社会へのインパクトがあることなのか、どのような経緯で法改正が成立したのか、について振り返ります。
これらの議論を踏まえて、著作権法の未来における姿についても議論します。
日時: 2012年11月25日(日) 14:00~16:00講演
場所: 東京大学駒場キャンパス11号館1101教室 地図
野口祐子(のぐち・ゆうこ)氏:弁護士。森・濱田松本法律事務所パートナー。1995年に東大法学部私法コースを卒業、2002年にスタンフォード・ロー・スクール修士課程(J.S.M.)を、2006年に同博士課程(J.S.D.)を修了。その後、2007年7月よりNPO法人クリエイティブ・コモンズ・ジャパン常務理事、2008年より東京放送(TBS)番組審議委員(2010年4月より副委員長)、2010年4月より東京大学大学院情報学環・学際情報学府非常勤講師を務める。
末吉亙(すえよし・わたる)氏:弁護士。潮見坂綜合法律事務所。1981年に東京大学法学部を卒業し、1983年に弁護士登録。2007年4月に末吉綜合法律事務所(現・潮見坂綜合法律事務所)を開設。現在、文化審議会著作権分科会法制問題小委員会委員、知的財産戦略本部コンテンツ強化専門調査会委員を務める。
山下友信(やました・とものぶ)氏:商法学者。東京大学大学院法学政治学研究科教授。1975年に東大法学部を卒業、同年東大法学部助手に就任。その後、神戸大学法学部助教授等を経て、1991年に現職。2010年に東京大学大学院法学政治学研究科長・法学部長に就任。日本における保険法研究の第一人者であり、保険法制定に大きく寄与。
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東京大学法律相談所は、東京大学の学園祭である五月祭において、毎年模擬裁判を上演しております。今年は64回目を迎え、この模擬裁判はつねに東京大学法律相談所とともにある行事といえます。
模擬裁判の長所を挙げるとすれば、学術と娯楽、双方を両立させていることのように思います。題材を探して、法律上の争点をつくり、そして解釈を加えて判決文にする。この過程は8ヶ月以上にも及ぶのですが、所員自らの手で、妥協のない法律イベントを求めています。一方、演劇としても充実しています。キャスト陣は体づくりにはじまり、声の出し方、演技練習と、役者並みの準備をもって本番に臨みます。舞台効果も、先輩から後輩へと引き継がれたノウハウを生かし、ステージをさらに盛り上げます。法律問題に着目するもよし、演劇として見るもよし、お客さまそれぞれの楽しみ方ができる模擬裁判に、ぜひお越しください。
模擬裁判の後には、交流会が予定されています。本番で出された判決についての質問ブースなど、模擬裁判をより深く楽しめる企画から、模擬裁判とはまた違ったお楽しみ企画までございます。どうぞ、よろしくお願いします。
日時:2012年5月19日(土) 9:00開場 9:30開演
場所:東京大学安田講堂(入退場自由) 地図
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